いつまでに妊活をスタートすればいいか。

女性がもっている卵子は胎児のときが一番たくさんもっているってご存知でしたか?
女性は卵子をつくれないんです。もって生まれてきたものがすべてです。

一方で男性は精子をつくることができます。
男性で60歳代やそれ以上の方でお子さんが生まれた、なんて話もききますね。

女性は、胎生期の20週の頃に600-700万個、生まれる頃には200万個くらいになっています。
37歳くらいまでに2万個に、閉経時期の51歳までには1000個程度にまで減少するといわれています。
(日本産婦人科医学会 http://www.jaog.or.jp/lecture/1-%E5%A6%8A%E5%A8%A0%E9%81%A9%E9%BD%A2%E5%B9%B4%E4%BB%A4/)

ちなみに、一度の排卵で一個減るわけではなく、排卵がなくても減っていきます。
低用量ピルの服用などで排卵をコントロールしていても、卵子は減ります。

妊娠は、卵子と精子が受精して受精卵になることで起こりますので、卵子がなくなってしまえば妊娠はできません。
したがって、女性にはタイムリミットがあることがわかりますね。

また、卵子の数だけではなく、質も落ちます。卵子の質の低下(染色体数の異常)については35歳頃より数の異常な染色体の割合が上昇します。

では、どうしたらいいのか。いつまでに考えなければいけないの?!
そんな方に、子供がどれだけほしいか、何人ほしいかと、妊活をいつまでにはじめるべきかをわかりやすく表にしてくれている論文がありましたのでご紹介します。ヨーロッパの公衆衛生の研究者の方が、コンピューターシミュレーションではじきだしたものです。
このページの画像がその表です。体外受精まで考えるかどうかによっても年齢がかわります。

絶対に2人ほしい!体外受精はイヤ!という人は27歳までに妊活をスタートした方がいいとなっています。
これは、日本の平均結婚年齢を考えるとなかなか厳しい年齢だなとおもいます。
日本人女性の平均結婚年齢は29.4歳(『人口動態統計』(平成28年『人口動態統計』確定数))です。
すでに27歳を超えていますね。
となると、2人以上ほしい!!という方は、結婚してから産むのであれば体外受精も視野にいれないといけないということです。

できればほしい。1人でもいい。体外受精もトライするわ!という方は、42歳となっています。
仕事をがんばるキャリアウーマン、キャリアがある程度積めてから妊活もありとうことですね。
もちろん個人にもよりますので、その前に一度産婦人科で検査をしてもらう方がいいでしょう。
私は子宮内膜症の手術を受けていましたので、通常より卵子の数が少ない状態でした。

年齢の目安が書いてあるのはこちらの論文です。リンクからPDFもよめます(英語です)。
Habbbeman et al. Hum Reprod. 30; 2215-21, 2015

産婦人科の先生方とお話していると、40歳代後半や50歳を超えて相談にいらっしゃる方も少なくないとのこと。
一方で40代の中絶が年間17,000件ほどあります(平成28年度衛生行政報告)。
子どもはすでにおり、もういらないとおもっているのに、知らずに妊娠してしまった女性もいらっしゃるということです。
これは、自分がいつまで妊娠する可能性があるのか、そして避妊法の選択肢などの情報がちゃんと与えられていないからと考えます。
もう妊娠・出産は考えていないのであれば、低用量ピルやIUS(Intrauterine Systemの略で、黄体ホルモンを子宮の中に持続的に放出する子宮内システム)など女性側が選択できる避妊の方法もあります。

また、妊娠にタイムリミットがあるなら卵子を凍結しておけばいいのでは?というご意見もあるかとおもいます。
そういった取り組みを先駆け的に行った自治体もありますが、どうやら助成終了になってしまったようです。
千葉県浦安市で2017年度までの3年間の予定で始まりましたが、卵子凍結を行政が支援する是非などを巡り議論を呼び助成は終了となりました。
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/474340
また、凍結未受精卵子での妊娠はまだ妊娠率がそこまで高くなかったり、また多くのクリニックでは結婚していて受精卵でないと凍結してくれない状況です。

もちろん個人でも違いますが、いつかね、と思いながらいつの間にか時間が経ってしまうものです。
20代後半~30代は仕事にプライベートに楽しく忙しい時期です。
充実した毎日を送っている方ほどいつの間にかときが経ち、妊娠が難しくなっていた、なんてこともあります。

パートナーがいらっしゃる方は、将来子どもを持ちたいかどうか、もつとしたら何人ほしいかなど話し、ご自身の妊娠の可能性と照らし合わせて一度ライフプランをつくってみるといいとおもいます。

(2018年10月 文責:北奈央子)