女性の健康レポート①

女性の健康に関する報告書が最近いくつか出てきていますので、ひとつずつ紹介していきます。

まずひとつ目は経済産業省ヘルスケア産業課からの「働く女性の健康推進に関する実態調査」です。
リンク先のPDFの9ページ目から結果が掲載されています。
健康といえば厚生労働省の管轄のように思いますが、最近は経済産業省も積極的です。
それだけ健康で働けることと経済が密接に関係しているということですね。
特に女性は人口減の時代にむけての潜在的な労働力です。
また、女性の月経随伴症状(要は生理痛など)による労働損失に伴う経済損失が4,911億円と試算されており、女性が健康で元気に働けることが経済活動にとって大切なことがわかります。
こういった経済産業省の動きを受け、各企業でも女性の健康支援への取り組みが少しずつはじまっています。

さて、この研究ですが、2018年1月に働く男女5,422名(男性:41.5%、女性58.5%)を対象に実施されています。
年齢は20代から50代以上までバランスよく含まれています。

女性特有の健康課題や女性に多く現れる症状により、勤務先で困った経験をしたことがある女性は6割にのぼりました。
その多くが月経関連の症状や疾病と月経前症候群(PMS)とメンタルヘルスでした。
大事な仕事のときに生理が重なって力が出し切れない、そんな悔しい思いをする女性が多くいます。
私も海外出張と生理が重なってタンポン、夜用ナプキン、バファリンとフル装備で対応していました。
頭痛や身体の重さに加えて、トイレにこまめにいけなかったりするともれていないか心配だったり、ということもありました。

一方で、管理職の方で女性従業員の健康課題の対処に困ったことがあると回答された方は45%、半数弱にのぼります。
その多くがメンタルヘルス、月経関連の症状や疾病でした。
管理職は男性が圧倒的に多いですから、生理の相談はなかなかできていないのが現状だと思います。

女性の健康課題が労働損失や生産性等へ影響していることについて、70%以上の回答者が知らなかった・わからないと回答しています。
生理痛などで勤務先で困った経験をしたことがある女性が6割いても、労働損失や生産性に影響するとはなかなか結びつかないものでしょうか。
しかし、月経随伴症状などによる社会経済的負担は年間6828億円に上っており、そのうち労働損失(会社を休む、労働量・質の低下)が72%を占めているといった報告も。
(2011年 バイエル薬品株式会社 「日本人女性における月経随伴症状に起因する日常生活への負担と社会経済的負担に関する研究結果」)

また、近年メタボ検診が実施されていますが、これが主に男性のためのものだということを知らない女性が65%。
男女では病気のリスクが同じ年齢でも異なり、就労期の女性にはメタボリックシンドロームに該当する割合は少なく、30代の女性のメタボ率は男性の17分の1、40代は4分の1以下、50代は3分の1以下と、メタボ検診は男性のためのチェックなんですね。
男女異なるチェックをしてくれればベスト、女性たちが男女で違うことを知って自分の健康を別の形でチェックできていればまだいいのですが、知らずにいる女性が65%。
知らずに他の病気のリスクにさらされているかもしれません。

女性の健康に配慮した制度は知られていない、活用されていないのが現状。生理休暇の活用は2割程度。
ワークライフバランス関連の制度の方が働き方改革などで最近話題ですが、女性の健康支援の取り組みはほとんど活用されていません。
生理休暇なんてどうせとれないから、自身が勤務する会社に制度があるかどうかすら知らない、という女性多いのでは。
男性上司には言いにくい、理解してもらいにくい、という声がある一方、女性上司でもその方が生理痛が軽いと理解してもらえない、という声もあります。
生理の重さや痛みは個人差があります。
子宮頸がんや乳がんは若い方でもかかる可能性があり、また、かかって治療を受けながら、受けたあとに職場復帰することもあります。
近年では不妊治療に通う女性が増えてきました。
不妊治療は夫婦で取り組むものですが、女性の方が通院回数が圧倒的に多く、働きながらの不妊治療は大変という声もよくききます。

さらに、女性特有の健康課題などにより職場であきらめなくてはならないと感じた経験、あきらめた経験のある女性が46%も!
非常に悲しい結果です。

これらの結果をもとに、3つのアクションが提案されています。
➀リテラシーの向上
➁相談窓口の設置
➂働きやすい環境

リテラシーがトップにきていますね。
ヘルスリテラシーをあげるためには、学ぶ場が必要です。
ぜひ社内で女性の健康に関すること、制度に関することを勉強する場をいろいろな会社が取り入れてくれることを望みます!